プリザーブドフラワーは誕生してから約30年が経過し、一般的に知られるようにはなってきました。
一方で、プリザーブドフラワーが どの様に製造されているのかをよく知らない方もいらっしゃるかと思いますので解説しておきたいと思います。
プリザーブドフラワーとは?を一つ一つ丁寧に解説いたします。
プリザーブドフラワーの誕生秘話について
「ブリザードフラワー」や「ブリザーブドフラワー」と呼ばれている事もありますが正式には、「プリザーブドフラワー」です。
プリザーブドフラワーの語源は、プリザーブ(preserve)「保存する」という意味の英語が由来なのです。
プリザーブドフラワーを誕生させたのは、フランスにあるヴェルモント社です。
ヴェルモント社が、ベルギーにあるブリュッセル大学とドイツのベルリン大学と、約10年の歳月をかけて共同研究をした結果1987年に世界初のプリザーブドフラワーを発表しました。
1991年には、ヴェルモント社が「長寿命の切花製法」として パリで世界特許認定を取得しました。
この事から プリザーブドフラワーは 『フランスで誕生した』『ベルギーで誕生した』『ドイツで誕生した』ともいわれています。
そのどれも正しいという事になりますね。
「枯れることがない」という画期的なお花だった事や、自然界にはない豊富なカラーバリエーションがアレンジメントの可能性を広げました。
クリスチャン・トルチュ氏やケネス・ターナー氏などの ヨーロッパの著名なフラワーアーティストが相次いで自分の作品に取り入れたこともあり、あっというまにヨーロッパ全土に広まりました。
日本へは1996年ごろから輸入が始まり、メモリアルギフトやディスプレイ用フラワーとして人気が高まり現在に至ります。
プリザーブドフラワーの作り方について
プリザーブドフラワー作り方の概念は
生花が元来持つ水分を保存液と入れ替える事によって作られているといえます。
新鮮な花を水分が吸い上げやすいように切った後、保存液に付けると
花は水の代わりに保存液を吸い上げ徐々に花の中の水は保存液と入れ替わっていきます。
この保存液の多くはグリセリンを主体としているものが多いようです。
グリセリンは樹脂のようなもので乾燥に強く、また乾燥してもみずみずしく見えるのが特徴なのです。
その為プリザーブド加工とは即ち水分を含んでいるように見える液体を内側に入れて固めているようなものなのです。
製造メーカーの違いにより、保存液を吸わせる前に お花の色を脱色する事もあります。
保存液と共に着色剤を吸わせるので 完成したお花の茎やガク部分まで同じ色になるわけです。
そして、自然界に無い色のお花を製造する事ができるのです。
プリザーブドフラワーは 現在では製造されている、お花の種類も増えてきています。
最も多く生産されているのはバラとカーネーション、アジサイです。
レモンリーフなどのグリーンや、実物なども加工されています。
自宅でプリザーブドフラワー加工する為の専用の溶液も販売されています。
また、市販されている<消毒用エタノール><精製グリセリン><インク>で自分で作る事も不可能ではありません。
プリザーブドフラワーの長所について
「長持ちする」「水やりが不要」「花粉や香りがない」「自然界にない色を楽しめる」という特徴があります。
これゆえに インテリアとしても飾りやすい、人にプレゼントをしやすいなどのメリットも生まれます。
それでは 一つ一つ解説してゆきましょう
プリザーブドフラワの長所①「長持ちする」
プリザーブドフラワーは、全項で解説したように、特殊な液に漬けているため、生花のように枯れる事はありません。
この為インテリアとして長期間飾ることができます。
ウェディングブーケをプリザーブドフラワーで制作した場合、長い間そのまま飾れますので インテリアとしてだけでなく メモリアルの品ともなります。
プリザーブドフラワの長所②「水やりが不要」
水やりがいらないので 生花のような手間がかかりません。
ギフトにした場合、もらった人は飾っておくだけなので負担がかかりません。
この為、ご年配の方に贈るお花にプリザーブドフラワーはぴったりなのです。
夏場に枯れやすくて困る仏花に プリザーブドフラワーの需要が増えているのも当然ですね。
水やりが不要なのでプリザーブドフラワーは、フレームに入れるという作品にもできますし壁に飾ることもできます。
プリザーブドフラワの長所③「花粉や香りがない」
プリザーブドフラワーは、花自体に花粉がありません。
そのため、花粉アレルギーを持つ方や病院へ入院している人へのお見舞い品として用いる事が可能なお花です。
また、プリザーブドフラワーは、加工途中で香りが抜けるため、花特有の香りがありません。
これは 短所ととらえる事もできますが長所でもあります。
特に病院のお見舞いで花を持って行く場合、強い香りがする生花は避け無くてはいけません。
しかし、プリザーブドフラワーであれば安心してお見舞いに持って行くことができます。
お食事の時に お花の香りが時に邪魔をする事がありますが、プリザーブドフラワーだとそのような事はありません。
プリザーブドフラワの長所④「自然界にない色を楽しめる」
プリザーブドフラワーは、加工工程で、花に含まれる水分を抜くと同時に本来の花の色も抜いて着色するため、さまざまな色の花を作る事ができます。
自然界にない色の花を生み出す事ができるのです。フラワーデザインの幅がひろがりますね
プリザーブドフラワーの短所について
プリザーブドフラワーは、加工しているが故に 「色褪せる」「湿気に弱い」「繊細で破損しやすい」「色移りしやすい」など、いつくかの短所があります。
しかし、保管環境をよくすることで、短所を回避することもできます。
それでは一つ一つ解説してゆきます。
プリザーブドフラワーの短所①「色褪せる」
年数が経つと、着色された色が色褪せることはあります。
また、蛍光灯など室内の光に長期間あたることで退色します。
鮮やかに色では無くなっても、それがアンティークな感じでそれはそれで良しと感じる事もあります。
プリザーブドフラワーの短所②「湿気に弱い」
プリザーブドフラワーは元々、湿気の少ないヨーロッパ発祥の花であるため
日本のような湿気が多い国では、湿気に気を付けないと美しさを保てる期間が短くなります。
湿気があると 花びらに斑点がでたり、花自体がクタッとした感じに・・・・。
湿気の多い場所はもちろん水のかかりやすい場所に飾るのはNGです。特に梅雨の季節は要注意。
私は梅雨の季節は 大切な作品はキャビネットに入れています。
クリアケースに入った作品は埃が被らないので一般的に長く美しさが保てますが
クリアケース内も湿気がこもって リーフにカビが生える事もあります。
時々 ケースの蓋部分を開けて中の空気の入れ替えもしてあげてください。
プリザーブドフラワーの短所③「繊細で破損しやすい」
花自体はやわらかく弾力性はあるものの、扱いを丁寧にしないと 花自体が崩れたり 花びらに亀裂が入ります。
作品を制作する時に 破損を防ぐための対応策はいくつかありますが、扱いは 常に丁寧にする必要がある花です。
また、花びらの切れは 新品の花でもよくある事です。
プリザーブドフラワーの短所④「色移りしやすい」
プリザーブドフラワーはその特性上、色移りは避けられません。
プリザーブド資材同士が重なる場所は、色移りしやすいです。
また、色によって 色移りしやすさがことなりますし、湿気の多い時期は 特に濃い色のプリザーブドフラワーは色移りしやすい傾向です。
色移りしやすそうな場所にリボンやアーティフィシャルフラワー素材の物を挟んで防ぐという方法があります。
以上がプリザーブドフラワーについての基本的な解説です。
それでは 次にプリザーブドフラワーを使って どんな作品が作れるのか レッスンの様子をご紹介したいとおもいます。
プリザーブドフラワーを使ったレッスン作品
初心者さんでも可愛いプリザーブドフラワーの作品がつくれる
お花が大好きだというお2人がレッスンでお作り頂いた作品を ご紹介したいと思います。
プリザーブドフラワーの扱い方の基本を学べる初心者さん向けのレッスンコースでお作り頂いた作品を今回ご覧頂きたいと思います。
キャンドルとプリザーブドフラワーを組み合わせたもので インテリアフラワーとして飾れる作品です。
生花ですと、電池を使うキャンドルを組みあわせる事は不可能ですが 水やりをしなくていいプリザーブドフラワーなら 大丈夫!
花器にリボンを巻く事もできるので クラフトの楽しみがあります。
そして、こちらの方はリースを作成です。
フェイクのイチゴをプリザーブドフラワーと一緒に組み合わせています。
ピンクのプリザーブドフラワーとイチゴ!
可愛くて 大人女子の心もときめきますね(笑)
プリザーブドフラワーの完成作品をご紹介
熱心に約2時間ぐらいかけて出来上がった作品たち。
集中してモノづくりをする時間は至福の時間でもあります。
作る楽しみ、そして飾る楽しみ・・・・
花のある暮らしは心を豊かにしてくれます。
完成作品をごらんくださいね。
リースの作品はこちらです
如何ですか?
キャンドルアレンジもリースもとっても素敵でしょう・・・・
プリザーブドフラワーなら工作感覚で日常の暮らしを彩る作品を作れるのです。
しかも生花と違いすぐに枯れる事はないので 長く楽しめます。
忙しい日常のリフレッシュに プリザーブドフラワーのある暮らし始めませんか?
この2つの作品はこちらのレッスンコースでお作り頂けます。
お花のレッスンが初めての方や資格取得前のウォーミングUPにお勧めの「プリザーブドフラワーデビュタントレッスンコース」
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